タテモノ日記.004
今回のタテモノ日記は、2020年に東京オリンピックが決まったという事で・・。
49年前、東京オリンピックの開催に合わせて建設された“国立代々木競技場”を載せたいと思います。
竣工はもちろん、東京オリンピックの年の1964年。
設計は、前回の東京カテドラルと同じ丹下健三さんです。そして、構造は坪井 善勝さん。
ちなみに、前回の東京カテドラルも坪井さんです。
では、この競技場、何がすごいの?と聞かれたら、何といっても、力強い造形美だと思います!!
屋根の両端が、曲面で高く上がっているシルエットや、壁は本当にきれいです。そして、この競技場の造形を力強く支えているのが、なんと言っても、坪井さんの吊屋根構造です!!
吊構造??と聞きなれない言葉ですが、ここは前回のカテドラルと違って、構造も少し理解したい建物です!!
競技場ということで、“内部は無柱空間にしたい!“そこで採用されたのが、この構造です。
吊屋根構造、ということは、まさに字の通り・・・、
実はこの競技場の大屋根は、ケーブルで吊られているのです!!建物の骨格を、左右の巨大支柱からワイヤーを渡して大屋根を吊っているのです。
引張られて屋根が成立しているなんて!!そう思うと、すごい緊張感がこの競技場から伝わりますね!!
ちょっと見方がかわってこないでしょうか!?
写真でも、太いケーブルが見えると思いますが、ここは是非、直にこのケーブルを見てもらいたいです!
見に行った時は
円形の建物なので、ぐるりと回って、いろんな形に見える不思議も体感してもらいたいです。
そして、“国立代々木競技場”は、造形も構造も本当に素晴らしいですが、
それにもましてこの競技場の素晴らしさを支えているのは、時代背景だと思います。
オリンピックと言えば、世界中からの注目が集まる大会!そこで、
“敗戦から立ち直り、経済成長している日本の姿を世界へ!!”と、
そんな、丹下さんと坪井さんの思いが伝わる建物な気がします。
日本中が、高い志を持って!、
そんな思いが、高く上へ上がる屋根のシルエットに繋がったのではないかと思います。
時代をここまで反映した建物はなかなかないなーと思い、
思いのつまった建物は、何年経っても色あせない、名建築だなーと思います。
是非、そんな思いを感じながら、一度、代々木競技場に足を運んで見てもらえたらです。
7年後のオリンピックには、どんな思いのつまった建物ができるのでしょうか! 楽しみですね。
ちなみに、7年後のオリンピックのメイン会場は、設計にはザハが少し前にコンペで選ばれました!
私の学生の頃は、ザハの設計する建物は、アンビルド建築が多かったのですが、
最近はぞくぞくと建っているようで・・、技術がザハに追いついたのかな?!